(第8号・1999年7月11日号)
季節の便りをお届けします。

 地 図 − 生き物リスト 


 ようやく暑いと感じる日々が続いています。春の雪解けが遅く、1週間以上も遅れた田畑も、その後、挽回して、カボチャの黄色い花が咲き始めています。
 さて、今回の話題は、暇を見て取り組んでいる「苗木づくり」の話です。
 いつもより長い文ですが参考にして下さい。

※成功のカギは「樹種」と「土」です。
 タネは運が良くないと手に入りませんが、ヤナギやアジサイの仲間であれば比較的簡単に挿し木で殖やすことができます。
 土は、(①)播きつけ・挿し木には、清潔な鹿沼土や砂、(②)成長し始めたら培養土と赤玉土を混ぜた水持ち・水はけも良く、適度に養分もある土が良いようです。

7月11日の写真樹種・殖やし方
 ポプラ、セイヨウハコヤナギ (ヤナギ科・Populus nigra var. italica)

 4月初旬若枝を切って、長さ20cm、箸ほどの太さのものを①の土に挿します。暖かい所に置くと5月上旬に芽が出ます。そのままにしておいたらあまり伸びなかったので6月下旬、②の土に移したら新しい芽が出てきました。
 町内の所どころに生えているのは、おそらく昭和の初めに耕地の防風林を造成するのに移入されたものだと思います。

 ドロノキ、ドロヤナギ (ヤナギ科・Populus Maximowiczii)

 これも4月上旬、冬芽のついたものを長さ15cm位に切って、①の土に挿し十分に水をやります。葉痕からも芽が出てきます。6月下旬には根が出ているので②の土に移します。

 カシワ (ブナ科・Quercus dentata)

 5月初旬に初山別村の天文台脇にあるカシワの下の芝生に昨年秋のドングリがたくさん落ちていて根が顔を出していました。子供にも手伝わせて拾ってきて②のポットに播いたところ、殆ど100%出てきました。根が深く伸びていくのでポットを時々動かします。

 ハルニレ (ニレ科・Ulmus Davidiana var. japonica)

 6月初旬に翼のついた小さなタネが実るので、①の土に播きつけます。10日ほどすると発芽するので、②を入れたビニールポットなどに移し、水をたくさんやるとスクスク伸びます。

 ノリウツギ (ユキノシタ科・Hydrangea paniculata)

 4月上旬まだ芽が出ない頃、若い枝を20cmほどに切って、①に挿します。翌年までそのままにしておいたら根がたくさん出ていました。これも6月下旬には②に移し替えても良いと思います。

 エゾイタヤ、イタヤカエデ (カエデ科・Acer Mono var. glabrum)

 5月上旬、集材路(木材を集めるために山腹に作ったブルトーザの道)にイタヤカエデの双葉が出ていたので採ってきました。土が剥がされた集材路には実生(みしょう・タネから芽生えたもの)がたくさん出るので、「苗畑」さながらです。
 山取りは「イエローカード」ものですが、育てて山に返すので、高山植物を盗るのとは大違い。

 エゾアジサイ (ユキノシタ科・Hydrangea macrophylla var. megacarpa)

 これも集材路で、湿った箇所から採ってきましたが、これも挿し木でつくはずです。

※数に限りはありますが、欲しい人に苗木を差し上げます。
なお、DIYの店で、鹿沼土、赤玉土(細粒)、腐葉土は、それぞれ18リットル入りの袋で500円ほど、ビニールポットは直径10cmのものが1個5円ほどでした。